ニューストピックを紹介

 植物プランクトンを食べるカキは、1個で1日に400リットルの海水を浄化する能力があり、
この日は夏休み中の子供が、砂浜近くに浮かべたイカダに、約200個をくくりつけた。
最終的には4万個が海中につるされる予定で、都港湾局は「子供が安心して遊べるきれいな
水辺にしたい」と意気込む。

 東京湾には関東一円の生活排水が流れ込むため、リンや窒素の濃度が高く、人工の砂浜
海岸が続くお台場海浜公園も、海水浴が禁止されている。実験ではカキの力でどこまで水が
浄化され、海の生態系が回復するかを3年かけて調べる。

 実験に参加した主婦川島弓子さん(35)は「こんなにいい砂浜があるのに、泳げないのは
もったいない。どこまできれいになるのか楽しみ」と話していた。


(ニュースソース)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070828ic25.htm

 動物の体内で神経細胞が正しく配線されるのに、不可欠な“目印”となるたんぱく質を、
東京大大学院新領域創成科学研究科の能瀬聡直教授らがショウジョウバエで見つけた。

 伸びる神経細胞に対し、「こっちに来るな」と働きかけるもので、交通事故などで傷付いた
神経の再生治療に役立つ可能性がある。米科学誌「カレント・バイオロジー」(電子版)で発表した。

 神経細胞は、「軸索」という突起を伸ばして、決まった相手の神経や筋肉などの細胞と
結合することで、正しい神経回路をつくっていくが、その仕組みは詳しくわかっていなかった。

 能瀬教授、稲木美紀子研究員らは、幼虫になる前のショウジョウバエを解剖。筋肉に神経
細胞が結合する過程を詳しく調べた結果、「Wnt4」と呼ばれるたんぱく質が、本来の相手とは
異なる細胞と結合しないよう、伸びる神経細胞を拒絶する役割を担っていることがわかった。

 能瀬教授によると、神経回路の配線時に、神経細胞に「こちらにおいで」と働きかける、
たんぱく質はこれまで3種類見つかっているが、「来るな」というたんぱく質の発見は初めて。

(2007年9月1日20時37分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070901it11.htm


Wnt4 Is a Local Repulsive Cue that Determines Synaptic Target Specificity
http://www.current-biology.com/content/article/abstract?uid=PIIS0960982207017903

 特殊な形のシリコン結晶に光を閉じ込める際、光の出し入れを別の光を使って自由に制御
する方法を野田進・京都大工学研究科教授(光量子電子工学)らのグループが見つけ、
3日に英科学誌「ネイチャーマテリアルズ」で発表した。光を電気に変換せず高速で処理する
「光メモリー」に必要な基本動作につながる成果という。

 野田教授はこれまでに、シリコン結晶の板に無数に開けた穴が鏡のように働いて光を閉じ込める
仕組みを考案。光を結晶内の微小空間に1・7ナノ秒(ナノは10億分の1)とどめることに成功し、
「光メモリー」の実用化に一歩近づいた。しかし、光を集めるのに時間がかかるのが課題だった。

 グループは、光が通る部分の穴の間隔を調整して、微小空間に光が入り込みやすくする方法を
開発した。さらに、波長の異なる光を当ててシリコン結晶の性質を変化させ、微小空間に集まった
光を出にくくさせることに成功した。

 野田教授は「この手法で、閉じ込めた光を出やすくさせることも可能だ。光の出し入れの制御は
困難だと思われていたが、今回の仕組みは光メモリーの実現に有効な技術になる」と話している。

京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007090300069&genre=G1&area=K10

 ぜんそくや花粉症、アトピー性皮膚炎の原因となるアレルギー反応を制御する分子メカニズムを、
九州大生体防御医学研究所の福井宣規(よしのり)教授(免疫遺伝学)らの研究グループが
世界で初めて解明し、2日付の米科学誌ネイチャー・イムノロジー(電子版)に発表した。
アレルギー疾患の研究や、リウマチなど自己免疫疾患の治療への応用が期待される。

 抗原(ダニや花粉、食物などアレルギー反応の原因)が体内に入ると、免疫をつかさどる
ヘルパーT細胞(リンパ球)は、侵入物を直接攻撃するTh1細胞やTh17細胞、抗体を使って
排除するTh2細胞に分化。ヘルパーT細胞のバランスが崩れ、Th1細胞やTh17細胞に
過度に偏ると自己免疫疾患、反対にTh2細胞が増えすぎるとアレルギー疾患に陥る。

 インターロイキン4と呼ばれるサイトカイン(細胞間の情報伝達をするタンパク質)がTh2細胞への
分化を促すことは分かっていたが、抗原の刺激がインターロイキン4の生産につながる仕組みは
不明だった。

 福井教授らは、抗原を認識するT細胞受容体からインターロイキン4受容体への信号伝達を、
リンパ球を活性化させる分子DOCK2が制御していることを突き止めた。遺伝子操作でDOCK2を
欠損させたマウスは、アレルギー疾患を自然発症するという。

 福井教授は「DOCK2に作用する医薬品ができれば、ヘルパーT細胞のバランスを整えて自己
免疫疾患や移植後の拒絶反応の予防など、さまざまな疾患の治療に貢献できる」と話している。

=2007/09/03付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/science/20070903/20070903_001.shtml


T helper type 2 differentiation and intracellular trafficking of the interleukin 4 receptor-alpha subunit
controlled by the Rac activator Dock2
Nature Immunology, Published online: 2 September 2007 | doi:10.1038/ni1506
http://www.nature.com/ni/journal/vaop/ncurrent/abs/ni1506.html

タイプにより1cmの差…身長決める主要遺伝子を発見
MIT、ハーバード大など国際研究チーム

 人間の身長を決める主要遺伝子を、約3万5000人の遺伝情報調査で初めて発見したと、
米マサチューセッツ工科大とハーバード大のブロード研究所などの国際研究チームが3日、
米科学誌ネイチャー・ジェネティクスの電子版に発表した。

 この遺伝子「HMGA2」は、構成するDNA塩基配列に個人差がある。父母から受け継ぐ
2つの遺伝子の特定部分の塩基が両方とも「シトシン」の人は、両方とも「チミン」の人に比べ、
平均で約1センチ身長が高いという。

 研究チームは、身長の高低は9割が両親からの遺伝要因で決まると指摘。HMGA2は
胎児の背骨や手足の成長に関連するとみられ、主要な遺伝子ではあるが、他にも身長に
関する遺伝子が多数あるとみている。

 幼児の発育が悪い場合、これらの遺伝子を調べることで、先天的な原因か、何らかの病気
によるものかを判別できるようになるという。

FujiSankei Business i.
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200709030031a.nwc


A common variant of HMGA2 is associated with adult and childhood height in the general population
Nature Genetics, Published online: 2 September 2007 | doi:10.1038/ng2121
http://www.nature.com/ng/journal/vaop/ncurrent/abs/ng2121.html

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