JSTバイオインフォマティクス推進事業の一環として、東京大学大学院
新領域創成科学研究科の森下 真一 教授は、スタンフォード大学の
アンドリュー・ファイヤー教授らとの共同研究で、DNAの3次元構造
(ヌクレオソーム構造)がDNAの変異に相関するという性質を、メダカの
DNA全体の情報を分析することによって明らかにしました。
これはDNA進化の新たな原理を示す基本的な成果です。
本研究の対象となったメダカは、日本の研究者により2007年にDNA
塩基配列が解読され、南日本由来系統と北日本由来系統の2系統の
DNA塩基配列の間には1塩基多型(SNP)と呼ばれるDNA変異が
DNA配列全体の3.4%を占める約1600万個も存在することが分かりました。
今回の研究では、超高速DNA解読装置を活用し、メダカのヌクレオソーム
構造をDNA全体にわたって網羅的に分析しました。その結果、遺伝子の
転写開始点の下流におけるヌクレオソーム構造がDNA変異の周期性を
引き起こす要因となっていることを突き止めました。
DNAの高次構造や遺伝子の転写メカニズムは多くの生物種にわたって
共通する基本的なものであることから、本研究は生命の遺伝的多様性が
生まれる過程の一端を明らかにしたものと言えます。
超高速DNA解読装置が急速に普及する中で、本研究で開発した大量の
データを解析するためのクラスター型並列計算機上で動作する新たな
ソフトウエア群は、今後も利用され、新たな生物学的発見へ寄与するものと
期待されます。
本研究成果は、JST バイオインフォマティクス推進事業、文部科学省特定
領域研究ゲノム4領域、米国国立衛生研究所(NIH)の研究助成によって
得られたもので、2008年12月11日(米国東部時間)に米国科学誌「Science」の
オンライン速報版で公開されます。
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